本図は松篁が描く秋の野の情景です。
ここに見られる銀の月光と秋草は、平安以来日本人に愛でられてきた取り合わせです。
時としてどこか遠い記憶を呼び覚ますような銀は、追憶の色として好まれてきました。
しかし、日本画の伝統である余白の美を追い求めた松篁は、ここで銀よりも透明な光を放つプラチナ箔を用い、より澄み切った秋の空気と月のさやけさを強く印象づけています。
その光に照らされて、風に揺れる桔梗とススキの葉。
桔梗の葉茎の黒の滲みやぼかしで端正に描かれており、対照的に花は青紫と白でくっきりと彩られています。
そこには派手さはなくとも凛とした情趣が溢れ、桔梗の美しさを際立たせます。(解説文より抜粋)
原画所蔵・解説 古川美術館
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