文化勲章受章、上村松篁が描く花鳥の世界
生涯、自然への畏敬の念を花鳥に託して制作をつづけた上村松篁。中でも桃の花は松篁が最も好んだモチーフの一つで、度々用いては麗らかな春の一場面を豊かな感性で描いている。
二羽の山娘を七分咲きの桃の枝に配した本作もその一つで、背景に施された金泥は柔らかで暖かな春の日差しを感じさせ、軽やかに戯れる山娘はゆっくりと時を刻む穏やかな午後を表現しているかのようである。薄桃色の花の香りまで匂い立つような画面に我々は次第に引き込まれ、松篁が心の内に思い描く花鳥の世界へと誘われてゆくのである。(作品解説より編集)
監 修 上村淳之
解 説 鬼頭美奈子(松伯美術館学芸員)
原画所蔵 財団法人松伯美術館
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