ルノワールの作品のなかでも、もっとも親しまれている名作のひとつ!
1870年代の初め、モネとともにセーヌ河畔で光あふれる風景画を生み出し、印象派の画家として世に知られるようになったルノワールは、やがて人物をより魅力的に描くための試行錯誤を重ねるようになる。新たな探求に身を投じた画家は、この作品において、印象派時代に培った草木や水面の明るく軽やかな描写と、女性の肌の陶器のようになめらかな表現をみごとに融合してみせた。
眼前に広がる「幸福」の情景を永遠のものにしようと、この絵画で新たな境地を切り開いたのである。
ピエール=オーギュスト・ルノワール
(Pierre-Auguste Renoir、1841~1919)
1854年磁器絵付師の工房で徒弟奉公。1858年機械による陶器絵付けの普及で失業。1861年シャルル・グレールの画塾に学び、シスレーやモネらと交友を深める。1862年パリ国立美術学校に入学。1864年サロンに応募した《ラ・エスメラルダ》が初入選。1874年「第1回印象派展」開催。1876年《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場》制作。1879年《シャルパンティエ夫人と子どもたち》がサロンで入選、高評価を得る。1880年本作《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢》制作。1892年《ピアノを弾く少女たち》が国家買い上げとなり栄誉を得る。1907年パリから南フランスに移住、1919年78歳で死去。
監 修 横山由季子(美術史家/金沢21世紀美術館学芸課学芸員)
解 説 横山由季子(美術史家/金沢21世紀美術館学芸課学芸員)
原画所蔵 シカゴ美術館
©The Art Institute of Chicago / Brigeman Images / PPS
技 法 彩美版® シルクスクリーン手刷り
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